雨滴粒径分布の推定と降水量推定
偏波レーダー観測から降水粒子の形状に関する様々な観測パラメータを得ることができます。これを利用して、雨滴の粒径分布を推定する手法を開発しています。特に、強雨時でも精度良く推定できるように工夫しています。この手法を用いて、積乱雲の特徴を捉えることで大気モデルへのフィードバックやゲリラ豪雨の危険性予知に資することを目的としています。
Fig. Raindrop Size Distribution of the Convective Cloud
混在状態を考慮に入れた降水粒子の種類判別
偏波レーダー観測から降水粒子の形状に関する様々な観測パラメータを得ることができます。これを利用して、降水粒子の種類(雨、あられ、氷晶、雪片)の混在状態を推定する手法を開発しています。さらに、降水予測へ利用するために定量推定へと発展させています。
Fig. Hydrometeor Classification by Polarimetric Radar Observation
ゲリラ豪雨のタマゴの早期探知
2008年の神戸市都賀川事例に代表されるゲリラ豪雨災害では、5~10分先降雨予測が極めて重要、かつ困難であり、ゲリラ豪雨災害に対する防災気象情報の高度化が喫緊に求められています。レーダーの立体観測によって豪雨のタマゴを早期に探知し、そのタマゴが成長するかどうかに関して偏波レーダー・GPS可能水量・数値予報などを多面的に活用した警報システムを構築しています。
Fig. 3D Images of Radar Echo
台風Morakotの降水量解析
2009年8月に台風08号が台湾を襲来し、3日間超で3,000mmに達するほどの豪雨をもたらされました。土砂災害、洪水災害など複合災害によって多数の死者・行方不明者がでました。被害調査に赴き、地球という自然の力を思い知らされました。
Fig. Total Precipitation of Typhoon Morakot